かっこいい彼氏。
「ー」
「んー?」
あたしはボールケースをガタガタ言わせながら押していた。
めいっぱい積まれたバスケットボールが落ちそうになるのを押さえながら。
「ー?」
「はいはいはいはい(何さ!)」
ボールケースを部室にしまうとあたしは友達の声のするほうへ歩いた。
「なに?」
あたしが言うと友達が下を指差した。
2階にあるクラブハウスの階段の下。
「げ!(さいあくだ!)」
目に入ったのは長身の男。間違いない。芭唐だ。
芭唐はこっちに向かって手を振ってる。
「ーいっしょに帰ろうぜー」
あたしはカバンをひっつかむと急いで階段を駆け下りた。
ローファーが階段を踏んでカツンカツンを音を立てた。
「何なの芭唐!なんでいるの?!」
「第一声がそれ?ひどーい」
せっかく来たのにさぁ!芭唐が不満げに付け足した。
そしてあたしは早足で校門を出た。芭唐がそれについてくる。
あたしにとって早足でも芭唐にとっては全然普通の速度みたいでそれがまたムカつく。
「や、アンタすっごい目立つから!来るならもっと違う場所にいてよ!」
「えー目立ってた?やっぱ俺かっこいいから?」
「(は?)そりゃ華武校の制服の男がいたら目立つっての!」
「(あ、かっこいいってとこスルーされた)わかってねぇなぁは。わざと目立つようにしてたのに」
「何でよ(つーか何もしなくても目立つんだよアンタは!)」
「そりゃみんなに見せつけるために決まってるっしょ?サンにはこーんなにかっこいい彼氏がいるんですーって」
そう言って芭唐がニヤリと笑うと八重歯が覗いた。
「なっ…調子にのらないでください!」
「顔真っ赤ー(かわいー)」
「しね!バカら!」
「え、なにそれ。ひどくね?」
おわり。
会話だけの意味わかんないはなしが書きたかっただけ。
05.05.03
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