「今年ももう終わるねー」


がしみじみと言った。
手にはお茶の入ったコップ。
ほかほか。湯気がたちのぼる。


「あぁ。そうだな」


土方はお茶をすする。
あたたかいお茶は冷えた体を暖めてくれる。


「何その気のない返事」


は不服そうに土方を見た。
コクリ、お茶を飲み込むと土方は言った。


「1年が終わろうと始まろうとお前さえいれば俺はなんだっていいんだよ」


少し照れたようなぶっきらぼうな言い方にはくすりと笑みをもらした。
窓からはまだドタバタと走り回る隊士が見えた。
今日は屯所の大掃除をしていた。


「そろそろ忘年会の準備しなきゃなァ」


お酒、たくさん準備しなきゃ。そう言っては立ち上がった。
そのの腕を土方が掴む。


「何?」


「まだ、行くなよ。もう少しここにいろ」


は困ったように笑った。


「早く準備しなきゃ隊士のみんなに怒られちゃうじゃない」


それでも土方はを抱きしめる腕の力を弱めなかった。
は土方の腕の中で小さく笑った。


「我侭なひとね」


その笑みは愛しいひとへ向けるそれだった。




(2004.12.30 甘め目指して撃沈。来年もどうぞよろしくおねがいします)
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