「屑桐せんぱ・・・あ」







(寝てる・・・)






日誌を書き終えて部室へ戻ってきてみると
屑桐さんが椅子に座ったまま少し俯き加減に寝息をたてていた。
いつも頭に巻いてあるはずの包帯は今は手に握られていた。


(疲れてるんだろな・・)


極力音を出さないように部室のドアを閉めて中に入った。


(どうしよう・・起こしたほうがいいのかな・・・
でも気持ちよさそうに寝てるし・・・)


どうしたもんかとしばらく考える。



(あ・・眉間にシワよってない)



屑桐先輩の額に流れる黒髪を顔が見えるようにそっとわけた。


(いつもこんな顔してればいいのに・・)


いつもとは全く違う屑桐先輩の無邪気な寝顔を見てフッと笑う。


(あたしが・・疲れさせちゃってるのかな・・)


その瞬間急に腕を掴まれて引き寄せられた。


「ぅわぁっ」


その反動で自然に屑桐先輩の胸に倒れこむような形になる。
私は屑桐先輩の胸にスッポリと納まっていた。


「ちょ・・せんぱ・・



いきなり名前を呼ばれたかと思うと目の前が真っ暗になった。

















「・・いつから起きてたんですか・・」
私が真っ赤になってそう言うと
屑桐先輩はいたずらっぽく「さぁな」と言った。













「・・・不意打ちですよ」












屑桐先輩が笑った・気がした。

唇に残った感触は確かなもので私は火照る顔を押さえた。





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