「アンタが土方さんの彼女ですかィ?」




















イデンティティ・ライシス





















沖田が声をかけるとは驚いたように振り返ってその相手が誰なのかを確認した。


「沖田…くん?」


遠慮気味に発された自分の名前に沖田は少し口の端をつりあげて頷いた。


「よく知ってますねぇ。流石土方さんの彼女でさァ」


沖田が腑抜けた声で言うとはだから何で知ってるんだとでも言いたげに沖田を見た。
それを察した沖田は当たり前だとでも言うように答える。


「あのわかりやすい土方さんですぜ?あの人は鈍いからちょっと遠回しに言ったらうっかり言ってくれまさァ」


は何となく沖田が言ったことを理解し、頷いた。
何故なら彼はそういう人だからだ。
でもはそういう嘘のつくことができない素直な土方が好きだった。


「前から土方さんの彼女ってのがどんな人なのか見てみたかったんでィ」


沖田がそう言うとは困ったように笑った。


その姿まで思わず見惚れてしまいそうだ。
いい女つかまえたもんだなァ土方さん、そう思い沖田は思わず溜息をついた。


本当はのこと、前から知っていた。
今日出会ったのも偶然ではないだろう。
最初はただの興味本位だった。
それでもいつも惜しみなく周りに笑顔を振り撒くこの人が愛しいと思った。


しばらく考えごとをしていたのだろうか。
が遠慮気味にどうかしましたか?と尋ねると沖田はハッと我にかえり自分らしくもないなぁ、と苦笑した。それでも力ずくで奪うよりは土方さんの横で幸せそうに微笑むが見たいと思った。


じゃあ私はそろそろ行きますね、とにっこり笑って去っていくの後ろ姿を見送りながら沖田はつらい恋だなァと呟いた。


明日土方さんにに会ったと言ったらこの人はどういう反応をするんだろうか、と沖田は微笑した。







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続編書きたいなぁ…とか思っております。



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