「すごい穴場ですねー!」
が振り向く。桃色。花びらが散る。
「沖田隊長、いい場所みつけましたね!来年もここでお花見しましょうねっ」
無邪気な笑顔。純粋に綺麗だと思った。には薄いピンクがよく似合う。
来年の今頃、俺はここにいるのだろうか。
のためにみつけてきた場所ですぜ。当然でさァ」
死ぬのは怖くない。もう何人も人を殺してきた。人が死ぬときってのは案外あっけないものだ。
「沖田隊長」
ただ、少し淋しい。に会ってそう思った。
目の前にはが立っていてその大きな漆黒の瞳は俺の瞳をまっすぐに捉えていた。
「今、何か悲しいこと、考えてますよね。あたしにとって」
が目を伏せ淋しそうに笑う。
「え?」よく、理解できなかった。
「大丈夫、生きてます」
が力強く言う。そしてその白い手が俺の顔に伸びる。
「ほら、あったかい」
ふわり、笑った。
俺は何だか泣きそうになってのその腕を掴むと自分の方へ引き寄せた。
ポーカーフェィスは得意なつもりだったのになァ。
不思議だ。が笑っていてくれる限り生きていける気がした。
俺は腕に力を込めた。
が俺を必要としてくれる限り、生きていける。
本気でそう思った。
「来年もここで2人だけでお花見しましょうねィ」


SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送